No110 山田修司 『回転銀』 43手 詰将棋パラダイス1999年7月



49金、同玉、47龍39玉、48銀、29玉、38角、28玉、39銀、同玉、
48龍、28玉、49角、29玉、38銀、28玉、47銀、29玉、38角、28玉、
16角、29玉、38銀、28玉、49銀、29玉、38角、28玉、47角、27玉、
38銀、28玉、29銀、27玉、38龍、同飛成、同角、36玉、34飛、46玉、
47金、55玉、56金、まで43手
変化
48歩は38角、同飛成、同銀、39玉、48龍、28玉、47銀、27玉、
  38龍、16玉、25銀まで

 本作の変化は易しく、記すのはイぐらいである。他は数手で詰む。
49金から始まり、12手目28玉で舞台の準備は終わった。これからは
難しい理屈は抜きに角銀の入替を図面で見て頂こう。





37角29銀の形に持ち込めたら、38龍として収束にはいる。一見広そうだが、
34飛とすると不思議なことにほとんど逃げ場はない。
そして、55玉を56金と都で射る。


     詰上がり


 詰将棋は終盤問題としての読みという側面とは別にパズルの側面ももってい
る。本作などはパズルとして、『楽しむ』のが正しい鑑賞であろう。本作を機
関車の入替パズルと対比して鑑賞された方もいるかも知れない。詰将棋である
ので、解答は一通りであり、その結果、一連の角銀の組み合わせを通り抜けて、
最終目的の局面に到達するのも面白い点だ。理屈抜きに並べて『楽しむ』
事が本作の狙いなのだ。
 実は本作以前にも角銀の入替は作られている。原理図的な柳原氏の作品と
手の込んだ明石氏の作品を紹介しよう。

柳原裕司 19手 詰将棋パラダイス 1983年6月


明石六郎 49手 詰将棋パラダイス 1993年2月


【作者:受賞コメント】
 看寿賞はどうしてもパラの作品が多くなりますから、多少形は悪くても発表
時に高得点を得た作品が有利になる傾向があるようです。この作品は「難解」と
言うより詰棋のもう一つの面、「楽しさ」に目を向けたもので、こういった作が
選ばれたのは、作者として大変喜ばしいことです。

      【解説:近藤真一】

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